愛があれば、それで
「なぁ、結花。俺はお前以外を好きになったことなんか……「そんなのどうだっていい。誰が誰を好きでももうどうでもいい。だって、あたしたちが決めたこの家で、あたしたちが2人で選んだあのベッドで2人は寝たわけでしょ?もうあたし、あのベッドで寝ない!」



透くんの言葉なんて何も聞きたくなかった。
いままではどこでなにをしてたって、戻ってくればそれでよかった。

でも、ここはあたしたちが2人で幸せになるために購入したマンションだ。
名義はたしかに透くんかもしれない。
でも、一緒に幸せになろうねってあの時決めた約束は守られなかったのだ。



「おい、透どーし……え!?なんでここにいるだよ!」



ドアを開けて入ってきて、廊下にいるあたしたち3人を見てというか、菜美を見ておどろいている桜木さん。



「帰ったらきてた。とんでもないこと言いに」



はぁっとため息をつく透くん。



「とんでもないことって、今度は何やらかしたわけ」



靴を脱いで、菜美の前へと足を進める。

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