愛があれば、それで
「俺さ、いままでずーっと女の子の誘い断れなくて
、結花に辛い思いさせてきたよな」



結花に少しでも近ずけるように、自分の額をコツンとドアにつける。



「本当はずっと誰とも付き合っていくつもりは無かった。俺、ずっと弱いとこ見せたくなくて、結花に隠してたけど別に女の子が好きだからって誘いを断らないわけじゃない。まぁ、そりゃ誘われて悪い気はしないのは認めるよ。俺だって男だし」



俺のペラペラ話す言葉を結花が聞いてくれてるかわからない。
でも、いま本心を語らないでいつ語れるかって話だし。



「高校一年んとき、俺は普通に彼女はいた。告白されても断ってた。それがまぁ当然だよな。でも、そんなある日俺に告白してきたやつがその日の夜、飛び降り自殺をしたことを知ったんだ」



違うということがわかっても、あの時のことを思いだすと胸が苦しくなる。
でも、言わないとならない。

大切なひとだから。

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