愛があれば、それで
カチャリとドアがあく。



「結花……」


「そんなの言い訳でしょ?」



俺のことをキッと睨む。



「わかってる。わかってるけど、俺……どうしても結花を諦めたくないんだ!」


「だったらどうして!!!!いくら、トラウマだとしても、この家でするのだけはやめて欲しかった……どうしてあのベッドですることができたのよ!?」



結花の瞳から零れ落ちる大粒の涙。
俺は、その涙を拭おうと手を伸ばすけど、結花に跳ね除けられてしまう。



「ごめん。本当にどうかしてると思う」


「もし、あたしがここで誰かとしていたらどうするのよ」


「そんなの嫌だ。嫉妬に狂いまくって、結花を家からもう一歩も出さない」



想像したたけで、嫉妬でおかしくなりそうだった。
でも、それにずっと耐えてきた結花。



「同じことしてるのよ、透くんは。それと同じことを!!!!」



いつも笑って許してくれていた結花。
いつでも笑顔を絶やさなかった結花から、笑顔を奪ったのは俺だ。

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