愛があれば、それで
「ごめん、本当に謝っても謝りきれな……わっ」



言葉の途中で、俺の胸にダイブしてくる結花。



「結花?」


「透くんのしたこと、許せなくて、腹が立って、顔なんて見たくなくて仕方ないのに……それでもすきなの。好きで好きで仕方ないの」



結花の叫び声が俺の胸に低く響く。



「結花……」


「なんで、嫌いにさせてくれないの?あたし一人でだって、風音のこと育てていける。でも、透くんのことがすきなの」


「結花、もう一度だけでいい。俺にチャンスを暮れない?」


「じゃあ、いますぐあたしを抱いてよ」


「へ?」



突然すぎる結花の言葉に次に言おうとしていたことを忘れてしまう。



「はやく、菜美のこと消してしまいたい。いつまでも一番最近したのが菜美なんて嫌だ!!!!」



こんなふうに嫉妬の感情を露にする結花は初めてだった。



「ソファーにしよう。そして、明日新しいベッド買いに行こう」



そのまま、結花を抱き上げて、ソファーへと連れていく。



「もう、あたし以外としないでよ」


「いてっ」



結花の上に跨ると、猛烈な腹パンチを食らった。
でも、結花の感じた痛みに比べたら、こんなの足りないくらいだ。

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