王太子殿下の花嫁なんてお断りです!
オリヴィアが部屋に戻ると、部屋には灯りが灯っておらず真っ暗だった。
「メイ?」
灯りをつけ、呼びかけても返事はない。どこにもメイの姿はなかった。
「メイ! 一体どこに……」
オリヴィアはふと視線を向けた机の上に置き手紙があるのを見つけた。それを拾い上げ目を通すと、それはメイからのものだった。
どうやらメイは、オリヴィアの髪飾りを探して街へ買い物に出かけたらしい。
そんなもの必要ないとオリヴィアは思っているのだが、やはりオリヴィアの侍女としては、主が王太子殿下の婚約者の立場にある以上は身だしなみを整えて欲しいのだろう。
夕刻までには戻るとも書いてあるが、まず間違いなく戻らないだろうとオリヴィアは思った。
メイはかなりの方向音痴だ。一人で街へ出かけて夜が明けるまで屋敷に戻れなかったことは、今までに何度もある。
ましてここはアンスリナではなくて王都だ。土地勘のない場所では余計に難しいだろう。
溜め息を一つ吐き出すと、オリヴィアは手紙を机に置いて寝台に寝転がった。
メイがどれだけ道に迷っても、夜が明ける頃には戻ってくるだろう。
のんびりと考えながら、オリヴィアはゆっくり侍女を待つことになった。
そして夜が明けてもメイは戻ってはこなかった。とはいえ、オリヴィアの想定通りだった。
夜が明けても戻って来なかった日は、オリヴィアが朝食を取っている間にメイが涙目で屋敷に戻り、泣きながら「すみません」と謝り続けるのだ。きっと今回もその通りだろう。
オリヴィアが一人で身支度を整えていると、部屋をノックする音が響いた。
「失礼致します」
扉を開けたのは、けれどメイではなかった。王城の侍女だ。
オリヴィアはすこしがっかりしたが、けれど笑顔を作って「何でしょうか」と尋ねた。
「朝食のことですが、メリーアン王女が共に朝食を取りたいと仰っています」
オリヴィアは目を丸くした。
「メイ?」
灯りをつけ、呼びかけても返事はない。どこにもメイの姿はなかった。
「メイ! 一体どこに……」
オリヴィアはふと視線を向けた机の上に置き手紙があるのを見つけた。それを拾い上げ目を通すと、それはメイからのものだった。
どうやらメイは、オリヴィアの髪飾りを探して街へ買い物に出かけたらしい。
そんなもの必要ないとオリヴィアは思っているのだが、やはりオリヴィアの侍女としては、主が王太子殿下の婚約者の立場にある以上は身だしなみを整えて欲しいのだろう。
夕刻までには戻るとも書いてあるが、まず間違いなく戻らないだろうとオリヴィアは思った。
メイはかなりの方向音痴だ。一人で街へ出かけて夜が明けるまで屋敷に戻れなかったことは、今までに何度もある。
ましてここはアンスリナではなくて王都だ。土地勘のない場所では余計に難しいだろう。
溜め息を一つ吐き出すと、オリヴィアは手紙を机に置いて寝台に寝転がった。
メイがどれだけ道に迷っても、夜が明ける頃には戻ってくるだろう。
のんびりと考えながら、オリヴィアはゆっくり侍女を待つことになった。
そして夜が明けてもメイは戻ってはこなかった。とはいえ、オリヴィアの想定通りだった。
夜が明けても戻って来なかった日は、オリヴィアが朝食を取っている間にメイが涙目で屋敷に戻り、泣きながら「すみません」と謝り続けるのだ。きっと今回もその通りだろう。
オリヴィアが一人で身支度を整えていると、部屋をノックする音が響いた。
「失礼致します」
扉を開けたのは、けれどメイではなかった。王城の侍女だ。
オリヴィアはすこしがっかりしたが、けれど笑顔を作って「何でしょうか」と尋ねた。
「朝食のことですが、メリーアン王女が共に朝食を取りたいと仰っています」
オリヴィアは目を丸くした。