王太子殿下の花嫁なんてお断りです!
侍女に案内されて着いたのは王城の噴水が眼下に広がるテラスだった。テラスの外には若緑の葉を付けた木が木陰を作り、その幹には小鳥が留まって囀っている。
テラスに置かれたテーブルに着いているのがメリーアン王女だった。
メリーアンは桃色の花が描かれたティーカップを啜っていたが、オリヴィアを見つけるとカップを置き微笑んだ。
「おはようございます、オリヴィア様。突然すみません」
「おはようございます。お誘いくださいましてありがとうございます、王女」
オリヴィアは挨拶をすると席に着いた。そこにはオリヴィアの分の朝食が並んでいる。パンは焼きたてなのだろう、香ばしい匂いが漂ってくるし、スープからは温かい湯気が立ち上っている。
サラダに使われている野菜も取れたてなのかとても瑞々しく、赤や黄色、緑色など彩りも鮮やかだ。
「オリヴィア様のお好きなものが分からなかったから、適当に準備していただいたの。好きなものがあるといいのだけれど」
「ありがとうございます」
「冷めないうちに頂きましょう?」
昨日とは違ってとても穏やかな表情のメリーアンに、オリヴィアは警戒していた。
一体この朗らかな笑顔の裏に何を思っているのだろう。メリーアンの表情を見つめていても答えは分からない。
それにメリーアンが準備した食事だ、もしかしたら毒が含まれているのかも知れない。そう思うと美味しそうな料理なのに食欲は湧かなかった。
「どうしたの?」
食べようとしないオリヴィアを不思議に思ったのか、メリーアンが問いかける。オリヴィアはなんて言って誤魔化そうかと「あ、いえ……」と苦笑いをしていた。
「そう心配なさらなくても、朝食に毒を盛ることはしませんわ」
その言葉にオリヴィアは弾かれたようにしてメリーアンを見つめた。
メリーアンは愛らしい笑顔を浮かべているが、それはディアナのものとは全く違った。纏う雰囲気が違うのだ。
逆らうことを許さないと言わんばかりの表情に、オリヴィアはティーカップに口を付けた。
テラスに置かれたテーブルに着いているのがメリーアン王女だった。
メリーアンは桃色の花が描かれたティーカップを啜っていたが、オリヴィアを見つけるとカップを置き微笑んだ。
「おはようございます、オリヴィア様。突然すみません」
「おはようございます。お誘いくださいましてありがとうございます、王女」
オリヴィアは挨拶をすると席に着いた。そこにはオリヴィアの分の朝食が並んでいる。パンは焼きたてなのだろう、香ばしい匂いが漂ってくるし、スープからは温かい湯気が立ち上っている。
サラダに使われている野菜も取れたてなのかとても瑞々しく、赤や黄色、緑色など彩りも鮮やかだ。
「オリヴィア様のお好きなものが分からなかったから、適当に準備していただいたの。好きなものがあるといいのだけれど」
「ありがとうございます」
「冷めないうちに頂きましょう?」
昨日とは違ってとても穏やかな表情のメリーアンに、オリヴィアは警戒していた。
一体この朗らかな笑顔の裏に何を思っているのだろう。メリーアンの表情を見つめていても答えは分からない。
それにメリーアンが準備した食事だ、もしかしたら毒が含まれているのかも知れない。そう思うと美味しそうな料理なのに食欲は湧かなかった。
「どうしたの?」
食べようとしないオリヴィアを不思議に思ったのか、メリーアンが問いかける。オリヴィアはなんて言って誤魔化そうかと「あ、いえ……」と苦笑いをしていた。
「そう心配なさらなくても、朝食に毒を盛ることはしませんわ」
その言葉にオリヴィアは弾かれたようにしてメリーアンを見つめた。
メリーアンは愛らしい笑顔を浮かべているが、それはディアナのものとは全く違った。纏う雰囲気が違うのだ。
逆らうことを許さないと言わんばかりの表情に、オリヴィアはティーカップに口を付けた。