王太子殿下の花嫁なんてお断りです!
領地アンスリナの美しい自然が遠ざかるのと同時に、木々は少なくなり、代わりに民家が次々と現れる。民家の外には住人達の姿が見えてきて、徐々にその数は増えていく。
「ここが王都ですか……。すごいですね、お嬢様!」
「ああ、そうね、メイは初めて王都に来たのだものね」
「そうなんです! はあ、夢にまで見た王都……」
領地とは全く異なる景色にメイが釘付けになっていると、一際大きな建物が見えてきた。
「メイ、あれを見て」
小高い丘の上にそびえる白亜の邸宅は威厳に満ちている。初めて王都に来たメイにもすぐに分かったらしかった。
「あれは……も、もしかして王宮ですか?」
オリヴィアは頷いた。
王太子殿下のいるところであり、これから自分が見合いをする場所だ。
しかしそこに住まうつもりは微塵もない。
王太子殿下に嫌われるために行くのだから。
オリヴィアには不思議な高揚感があった。
やがて馬車は止まり、扉は開く。
街から見えていた白亜の邸宅は、思わず見上げてしまうほどに大きいものだった。
豪華な門の左右には、数十人はいるだろう衛兵達が守りを固めている。
「お待ちしておりました、オリヴィア・ダルトン様」
「ここが王都ですか……。すごいですね、お嬢様!」
「ああ、そうね、メイは初めて王都に来たのだものね」
「そうなんです! はあ、夢にまで見た王都……」
領地とは全く異なる景色にメイが釘付けになっていると、一際大きな建物が見えてきた。
「メイ、あれを見て」
小高い丘の上にそびえる白亜の邸宅は威厳に満ちている。初めて王都に来たメイにもすぐに分かったらしかった。
「あれは……も、もしかして王宮ですか?」
オリヴィアは頷いた。
王太子殿下のいるところであり、これから自分が見合いをする場所だ。
しかしそこに住まうつもりは微塵もない。
王太子殿下に嫌われるために行くのだから。
オリヴィアには不思議な高揚感があった。
やがて馬車は止まり、扉は開く。
街から見えていた白亜の邸宅は、思わず見上げてしまうほどに大きいものだった。
豪華な門の左右には、数十人はいるだろう衛兵達が守りを固めている。
「お待ちしておりました、オリヴィア・ダルトン様」