王太子殿下の花嫁なんてお断りです!
応接間は回廊と同じように優しい白色を基調としており、そこに色とりどりの花が飾られて、豪華さの中に気品を感じられる。
見上げると高い天井には特大のシャンデリアがぶら下がっていた。回廊のものよりもずっと大きいそれは部屋の最上部で煌めきを放っている。
また、部屋の最奥には大きな窓があり、その両端には重厚感のある高級な赤いカーテンが重々しく縁取っている。
窓の手前には一段高くなっている場所があり、そこには豪華な椅子が置かれていた。それは黄金で縁取られ、花の刺繍が施されたふかふかなクッションのその上に座るのは、オリヴィアが今まで出会った人々の中でも飛びぬけて美しい男性だった。
絹糸にはちみつを溶かし込んだような艶やかな髪に、優しく細められた琥珀の瞳。気品に満ちている彼は、薔薇の色の少し薄い唇で弧を描いた美しすぎる微笑みをオリヴィアに向ける。
オリヴィアが彼に出会うのは初めてだったが、それでもすぐに分かった。
彼こそがこの国の将来を担う、この国の第一王子。そう、アーノルド王太子殿下だ。
思わず目を奪われてしまったオリヴィアははっとして気を引き締め、すぐに完璧に美しい令嬢を演じてスカートの裾を掴んだ。
「お初にお目にかかります、殿下。
オリヴィア・ダルトンにございます」
顔をあげると彼は微笑んだままで、「聞いているよ」とチェロを奏でるような穏やかな声で頷いた。
「きみが僕のお見合いの相手なんでしょう?」
見上げると高い天井には特大のシャンデリアがぶら下がっていた。回廊のものよりもずっと大きいそれは部屋の最上部で煌めきを放っている。
また、部屋の最奥には大きな窓があり、その両端には重厚感のある高級な赤いカーテンが重々しく縁取っている。
窓の手前には一段高くなっている場所があり、そこには豪華な椅子が置かれていた。それは黄金で縁取られ、花の刺繍が施されたふかふかなクッションのその上に座るのは、オリヴィアが今まで出会った人々の中でも飛びぬけて美しい男性だった。
絹糸にはちみつを溶かし込んだような艶やかな髪に、優しく細められた琥珀の瞳。気品に満ちている彼は、薔薇の色の少し薄い唇で弧を描いた美しすぎる微笑みをオリヴィアに向ける。
オリヴィアが彼に出会うのは初めてだったが、それでもすぐに分かった。
彼こそがこの国の将来を担う、この国の第一王子。そう、アーノルド王太子殿下だ。
思わず目を奪われてしまったオリヴィアははっとして気を引き締め、すぐに完璧に美しい令嬢を演じてスカートの裾を掴んだ。
「お初にお目にかかります、殿下。
オリヴィア・ダルトンにございます」
顔をあげると彼は微笑んだままで、「聞いているよ」とチェロを奏でるような穏やかな声で頷いた。
「きみが僕のお見合いの相手なんでしょう?」