王太子殿下の花嫁なんてお断りです!
「お嬢様が…? 連れ去られ…? ほ、本当にございますか…?」
目を見開き顔を真っ青にするメイに真実を告げれば倒れてしまいそうで少し戸惑ったオリヴィアは少し考えた後頷いた。
「けっ、けれどすぐに殿下が助けてくださったから、何ともないわ! 本当に本当よ!」
「お嬢様、本当に、本当に申し訳ありません……。メイがっ、メイがついていればお嬢様を危険な目に遭わせるようなことなどありませんでしたのに…!メイは、メイはなんて愚かなことを…!」
メイの目に薄らと涙が滲んでいく。
そのことに気づいたオリヴィアは嫌な予感がして背筋に冷や汗が流れた。
そしてついにメイの目からぽろりぽろりと無数の涙がこぼれ落ちてしまった。
「メイはっ、メイは本当にアホで馬鹿で間抜けです~! 存在価値なんて小麦の殻よりもないくらいのどうしようもないです~! こんな失態をするなんて、今すぐ消えてしまいたいくらいです~!」
「そんなことないわよ、メイ! そんな風に自分を責めないで!」
この世の終わりだと言わんばかりの表情を浮かべて滝のように涙を流しながらおんおん泣くメイをオリヴィアは必死に励ます。こうなったメイはなかなか泣き止まないからいつも困るのだ。
オリヴィアはメイの背中を抱きしめるように言葉をかける。
「私はメイがいてくれるからいつも自分らしくいられるわ。父上や家の人から私が政略結婚の道具にしか思われていなくて、アンスリナにいることを疎まれ続けても、メイがいてくれるから私は自分の道が選べるのよ」
「お嬢様ぁ! メイはっ、メイはもうクビですか? クビですよね? はっきり言ってください、こんなポンコツ侍女など必要ないと~!」
「何を言っているのよ、メイ。あなたをクビになんてしたら、私はひとりになってしまうじゃない。少し不器用で失敗したって構わないわ。お願いだからこれからも一緒にいて」
「お嬢様ぁ~!」
泣き続けるメイを抱きしめながら、オリヴィアはアーノルドを見つめた。
目を見開き顔を真っ青にするメイに真実を告げれば倒れてしまいそうで少し戸惑ったオリヴィアは少し考えた後頷いた。
「けっ、けれどすぐに殿下が助けてくださったから、何ともないわ! 本当に本当よ!」
「お嬢様、本当に、本当に申し訳ありません……。メイがっ、メイがついていればお嬢様を危険な目に遭わせるようなことなどありませんでしたのに…!メイは、メイはなんて愚かなことを…!」
メイの目に薄らと涙が滲んでいく。
そのことに気づいたオリヴィアは嫌な予感がして背筋に冷や汗が流れた。
そしてついにメイの目からぽろりぽろりと無数の涙がこぼれ落ちてしまった。
「メイはっ、メイは本当にアホで馬鹿で間抜けです~! 存在価値なんて小麦の殻よりもないくらいのどうしようもないです~! こんな失態をするなんて、今すぐ消えてしまいたいくらいです~!」
「そんなことないわよ、メイ! そんな風に自分を責めないで!」
この世の終わりだと言わんばかりの表情を浮かべて滝のように涙を流しながらおんおん泣くメイをオリヴィアは必死に励ます。こうなったメイはなかなか泣き止まないからいつも困るのだ。
オリヴィアはメイの背中を抱きしめるように言葉をかける。
「私はメイがいてくれるからいつも自分らしくいられるわ。父上や家の人から私が政略結婚の道具にしか思われていなくて、アンスリナにいることを疎まれ続けても、メイがいてくれるから私は自分の道が選べるのよ」
「お嬢様ぁ! メイはっ、メイはもうクビですか? クビですよね? はっきり言ってください、こんなポンコツ侍女など必要ないと~!」
「何を言っているのよ、メイ。あなたをクビになんてしたら、私はひとりになってしまうじゃない。少し不器用で失敗したって構わないわ。お願いだからこれからも一緒にいて」
「お嬢様ぁ~!」
泣き続けるメイを抱きしめながら、オリヴィアはアーノルドを見つめた。