花鳥風月
鳥
私は好きだ。
彼のことが。
それは付き合った当初から変わらない。
間違いなく、愛している。
愛とは、悲しみを消してしまうほどのものなのである。
それを最近知った。
恋と愛は、違うらしい。
恋をしていた時、私はただただ舞い上がっていたのだ。
恋をしている自分に、酔いしれ、恋し、浮かれ、燃えていたのだ。
だけど、愛とは、相手の幸せを願うものだった。
よく分からない、心の奥底から湧き上がってくる温かく、苦い気持ちが私を支配する。
そういう時に、彼を見ていると、きまって私は自分が悪いような、切ないような、泣きたいような、それでいて愛されたいような心地がするのだ。
幾つもの矛盾する思いが心に交錯する。
愛とは、苦しみを伴うらしい。