花鳥風月
窓の外を見る。
あの、祭りの日と同じように星々が散らばっていた。
まるで、子供が空に綺麗なおもちゃを散らしているような、そんな夜空だ。
それらは線で結ばれ、形になり、夜空を巡っている。
思わず涙が零れそうになる。
少しでも動かしたら、夜空もろとも消えてしまうほどの儚さ。
星を見ただけで涙腺を刺激されてしまうなんて、私はどうかしているのかもしれない。
それとも、彼のことを考えていて悲しくなるのか。
一人でも生きていける彼は、私のことなど考えなくてもやっていけるのだろう。
悲しいのに、温かい。
私は、ずっと彼の光になりたかったのだ。
彼の側に、ただいたいだけ。
そうすれば、もしも真っ暗闇の中に彼が一人でいても、私は救い出してあげられる。