一途な彼にとろとろに愛育されてます
「この前のお礼がてら、今日飯行かない?」
「あ、今日はちょっと」
「えー?いいだろ、少しくらい。今日は泊めろなんて言わないからさ」
いつもなら頷くところだけど、今日は檜山と話をしようと決意したところだ。
理由を濁して断るけれど、田丸さんは引く様子はない。
「寧ろうち来ない?うちなら時間気にせず居られるしさ……」
寧ろいつも以上に強引な態度で、私の肩を抱いた。
なんか、怖い。
もしかして、この前強引に言えば泊めたからって、今日も強く言えば通ると思ってる?
さすがにそう思わせるのは危険だ。
そう思い身体を離そうとするけれど、田丸さんは「な、いいだろ」と手にいっそう力を込める。
「やだ、離してっ……」
その行動に思わず声をあげかけた、そのときだった。
突然誰かに腕を引っ張られ、私は田丸さんの腕からするりと抜けた。
そして驚くうちに、気づくと私の体は檜山の腕の中にあった。
「檜、山……?」
その長い腕に肩を抱かれ、どうして彼がと驚きを隠せずにいる。
檜山はそんな私を見て、視線を田丸さんへ向けた。