一途な彼にとろとろに愛育されてます
何度考えても悩んでも、毎回答えなんてでない。
それは今日も一緒で、仕事中もその悩みを頭にめぐらせたけれど結論も出ず決心もつかなかった。
「はぁ……なんか余計疲れたな」
仕事を終え帰路についたのは夜10時近くのこと。
仕事の忙しさもあったけど、それ以上に頭が疲れてしまった。
はぁ、とため息をつきながら帰宅し、家のドアを開ける。
するとキッチンの方から漂うバターのいい香りが鼻をくすぐった。
「ただいま……」
「おかえり」
キッチンを覗くと、そこにはフライパンを手にした檜山がふたり分のピラフをお皿に盛っていた。
って、あれ。檜山は確か今日は定時であがったはず。