一途な彼にとろとろに愛育されてます
私たちの間にはふたりで暮らす上でのルールがいくつかある。
朝はそれぞれ起きて出勤する。
夜は交代で食事を作る。
洗濯は各自行う、相手の服や下着が洗濯機に入ってる時は勝手に触らない。
など、問題なく暮らして行くためにと暮らし始めに檜山と設けたルールだった。
現に、これを守って暮らして今もそこそこ上手くいっている。
「間に合った〜……」
職場に着き、大急ぎで制服に着替え終え、従業員用エレベーターの前でひと息つく。
就業時刻まであと10分。なんとか頑張った。
「長嶺。なに気の抜けた声出してるんだよ」
背後からかけられた声に振り向くと、そこには立花社長と檜山の姿。
朝から汗をかいて息をあげている私を見て、立花社長は形の綺麗な目を細めておかしそうに笑った。