一途な彼にとろとろに愛育されてます
「すみません、実は寝坊しちゃってギリギリで」
えへへと笑いながら言うと、すかさず檜山が小さくつぶやく。
「昨日の夜飲み過ぎなんだよ」
「うるさいなぁ、いつも通りの量しか飲んでないし!」
そもそも檜山が朝ひと声かけてくれていれば!
キッと睨む私と、それに対し眉ひとつ動かさない檜山。
そんな私たちを見て立花社長が「相変わらず仲良いな」と笑うと、ちょうどエレベーターがきた。
エレベーターに乗り、私は1階、檜山は2階のボタンを押す。
動きだすエレベーターの中で、立花社長は思い出したように言った。
「あ、そうだ。今日ホールでイベントがあるんだが配膳スタッフの人員が足りないそうでな。フロントから誰か手伝いに行けるか?」
「はい、たぶん大丈夫だと思います」
「そうか。じゃあ頼む」