一途な彼にとろとろに愛育されてます



辺りを見回しながら歩いて行くと、さらに奥の大きな鏡の前にはアイボリーのウェディングドレスを着た女性がいた。

キュッと引き締まったウェストと、フリルが幾重にも重ねられたスカート。背中側にはレースがあしらわれており、少し幼い顔立ちの彼女によく似合っている。



「かわいい〜!素敵!」



開口一番にその思いを率直にこぼす私に、瑠璃と女性は笑った。



「ミネコ、まずお客様にご挨拶」

「はっ!失礼しました!お客様、いらっしゃいませ」

「ふふ、いいんですよ。褒めてくださってありがとうございます」



慌ててお辞儀をする私に、女性は嬉しそうに笑って言う。



「でも純白のほうのドレスと迷っちゃって。いろんな人の意見が聞きたいなって」



そう言いながら、隣にかけられた純白のドレスを目で指す女性に私もつられるように目を向けた。

それはマーメイドラインが綺麗な、真っ白なドレス。これもこれで素敵で、迷ってしまう気持ちもわかる。


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