一途な彼にとろとろに愛育されてます
「でもブライダルの担当って楽しそうだよね。お客様といろいろプラン考えたりして」
「そうだね。結構楽しいよ」
様々な人と接するフロント業務にも楽しさはあるけれど、ひとりのお客様と人生の一大イベントのためにじっくり向き合う瑠璃の仕事も楽しそうだ。
それはお客様の都合等でたびたび休日出勤や残業になりながらも、不満のひとつも言わない瑠璃の様子からも察することができる。
「でもさ、みんな幸せそうでむなしくならない?瑠璃も独身だし、彼氏いないし」
「まぁ……でも中には準備中に大喧嘩して修羅場になってるカップルもいるしね。そういうの見ると独り身万歳って思うわ」
修羅場に……。
それは想像するだけで疲れてしまいそうだ。
でもそれも含めて、結婚する相手がいなくては起こりえないこと。