一途な彼にとろとろに愛育されてます
「檜山も来るんでしょ?」
「うん。意外とそういう集まりに対する付き合いはマメなほうだから」
檜山はそういう付き合いが嫌いそうにも見えるけれど、誘われれば極力断らないタイプだ。
今回も案の定、声をかけたら「予定空けとく」と了承してくれた。
「酔った勢いで押し倒して強引に既成事実作っちゃえばいいのに」
「ってそれはダメでしょ!」
強引にって!
突然とんでもない発言をする瑠璃に、思わず大きな声でつっこむ。
「冗談だって。それにミネコが押し倒せるような性格なら何年も同居人でいられるわけないし」
うぅ……瑠璃の意地悪。
鼻で笑う瑠璃に頬を膨らませていると、奥から「すみませーん」と先ほどの女性の声がした。
「はーい。よし、ミネコ。仕事仕事。いいドレス選んであげてよね」
「もちろん」
私と瑠璃は一瞬で仕事モードに切り替わり、ふたりで女性のもとへ向かった。