一途な彼にとろとろに愛育されてます
それから数十分かけてようやく決まったドレスはアイボリーの方のドレスだった。
かわいらしい雰囲気がやはり彼女にぴったりで、そこを強く推したところ嬉しそうに頷いてくれた。
時間がかかったなぁ、と彼女のご主人も苦笑いしていたけれど、ドレス姿を見るとやはり嬉しそうに笑っていた。
幸せそうなふたりに、いつかの自分を重ね合わせて。
ドレス姿を見て笑ってくれるのは、やっぱり彼がいい。
その日の夜、20時をすぎた頃。
「かんぱーい!」
がやがやとにぎわう、ホテルからほど近い駅前の居酒屋には私たちの声とグラスを合わせる音が響いた。
居酒屋の奥にある掘りごたつの大部屋に集まった10名ほどの社員たち。
先輩から後輩まで、年齢や性別、部署も違う皆が顔を合わせる。
そんな中で私は瑠璃と先輩である男性社員、田丸さんに挟まれ座っていた。