一途な彼にとろとろに愛育されてます
「だって、檜山が嫌いとか言うから……」
「はいはい、ごめんって。売り言葉に買い言葉だよ」
宥めるように、檜山は私の頭を抱き寄せる。
子供をあやすようにポンポンと撫でるその優しい手に、素直に甘えてその胸元に顔をうずめた。
「胸は、ほら。でかさより形っていうか」
「でもないよりある方が好きでしょ」
ぼそ、とつぶやいた私の言葉に、檜山は無言で頭を撫でる。
この男……!無言って肯定してるようなものじゃない。
少しムッとしてしまうけれど、腕の中から離れる気にはなれない。
……嫌い、なんて嘘だよ。
そっけなくされても、嫌いになんてなれない。他の子のそばにいるところを見ていやだと思う度に、余計好きだと実感するだけ。
ねぇ、檜山。
私の『嫌い』に『じゃあ俺も』と言ったあなたは、私が『好き』と言っても『俺も』って言ってくれる?
言ってくれたら、いいのに。
願うように胸の中で繰り返して、その腕の中でそっと目を閉じた。
やっぱり、檜山が好き。
何度だってその思いは繰り返し込み上げる。