一途な彼にとろとろに愛育されてます
「そう。来週、社長の付き添いで海外に一週間」
海外……しかも一週間。
立花社長の付き添いとはいえ大変だ。
……ていうか。
あの飲み会の日のあとも、檜山は普通だ。
私を抱きしめたことなんてまるでなかったかのように、その話題には一切触れないし。
やっぱり酔ってただけで特別な感情はなかったのかも。
自分だけが翻弄されていて、悔しい。
その感情を飲み込むように肉じゃがを口に運ぶと、檜山はジロリとこちらを見る。
「俺がいない間誰かを招こうが構わないけど、同居がバレるようなことはするなよ」
「わ、わかってるってば……」
「それと飲みに行ってもいいけど飲みすぎないこと、あと夕飯も自炊してちゃんと食うこと。それと電気つけっぱなしは気をつけて……」
「もう!わかったから!」
子供じゃないんだけど!
まるで親のような口煩さに、話を途中で遮る。そんな私に檜山は『本当に大丈夫か』と疑わしげな目を向けた。