一途な彼にとろとろに愛育されてます
それにしても、一週間檜山がいない、か……。
檜山は社長の付き添いで、時々出張に出る。
それでも一日二日がほとんどで、一週間なんて初めてかもしれない。
別に檜山がいなくたって私はいつも通り、私の生活を送るだけだけど。
それからあっという間に週が明け、檜山は大きなキャリーバッグを転がし出張へと向かって行った。
一週間なんてすぐ。寧ろこの広い部屋でひとり暮らし気分が味わえて最高だ。
……なんて思ったのは最初の一日くらい。
これまで檜山と過ごす夜が当たり前だったこの家では、ひとりの時間は孤独を感じさせただけだった。
スマートフォンを見ても連絡のひとつもない。家に帰ってももちろんいなくて、声ひとつも聞けない。
……大好きなはずのビールも、美味しくない。
仕事でミスをした日だって、瑠璃と喧嘩をした日だって、檜山と飲むビールはいつだって美味しかったのに。
二日目も、三日目も、寂しさが胸に溢れた。