一途な彼にとろとろに愛育されてます
檜山が、心配してくれていた……?
眠れないほど、慌てるほど。
確かに、思えば帰って来た時の檜山も急いで来た様子だった。
檜山はそこまで心配してくれていたのに、私は強気で反論したりして。
……ひどいこと、しちゃったな。
立花社長との電話を終え、スマートフォンを置くと足は自然と檜山の部屋に向かっていた。
コンコン、と小さくノックするけれど室内から反応はない。
寝てる、かな。
ゆっくりドアを開け中をうかがうと、本棚やパソコンが置かれただけの殺風景な部屋。
窓際のベッドには、シーツをかけこちらに背中を向ける檜山の姿があった。
「……檜山」
ぼそ、と名前を呼ぶけれどやはり反応はなく、寝ているんだと再確認した。
寝てるならまたあとでもいいかな。
そう思うけれど、今伝えたいと思う気持ちの方が強く、私はそっと一歩踏み出した。
そしてベッドに近づくと、シーツの中にもぐりこむ。
彼の香りで溢れるベッドの上、そのぬくもりに寄り添うように、檜山の背中におでこを寄せた。