一途な彼にとろとろに愛育されてます
5.瞳をそらさずに
それは、檜山が出張から戻って数日後のことだった。
「記念パーティー?」
今日も一日仕事を終え、いつものように檜山とふたりで夕食をとっていた私は、彼の言葉に首を傾げて復唱した。
それに対し、檜山は夕飯であるナポリタンを食べながら頷く。
「あぁ。立花社長が懇意にしてる同業者主催のやつで、今度の日曜に軽井沢でやるんだって」
「軽井沢でパーティ……お金持ちっぽい」
平日は仕事して、週末は付き合いで出かけて、檜山も大変だ。
一方の私はパーティなんて結婚式くらいでしか出たことがないため、その光景をなんとなくで想像しながら、私もフォークにナポリタンを巻きつけ大きく開けた口に含む。
「大変だねぇ、社長も秘書も。気をつけていってらっしゃい」
「いや、だから。お前も行くんだって」
「へ?」
お前もって……私も?
私も!?
驚き、口に入れた麺をゴクリと一気に飲み込んでしまう。