宿命~フェイト~
参謀
私はスナックでホステスとして働いていた。
ある程度の事は任されていたチイママだった。

お店はクラブ形式で、客層も年齢層が高く、上客が多かったと思う。
その為ママはかなり厳しく、若いというだけでちやほやされて、いい気になってると雷が落ちた。

教師になりたかったせいか説教は質問と解答。

正直うんざりしていた。

子供じゃないのだから、間違いを指摘して諭してくれれば早いのに…と。
それでも私はそれなりに頑張っていた。

誰にも負けたくないし、ママに何も言わせたくなかったから。

100%頑張ってた訳でもない。
なんだかんだ言っても若いというだけでお客さんは甘やかしてくれたし…

チイママという立場はママと女の子達の間で大変そうだけど私にはNo.2という立場は意外と合っていて、やりがいがあった。

さほどの努力はしていないが、頭は使ったし、気配り目配り、笑顔や言葉使いには気を付けて…

元々接客が好きな私には難しいことでは無かった。

結果さえ出していればママに文句を言われる事も無いし、女の子も自然と付いてきてくれる。

ママの事も経営者として尊敬していたし、右腕として力を発揮したかった。


私は自分の為に頑張れるタイプではないらしい。
〝別にいいや〟と思ってしまう。

でも好きな人の為なら何でも頑張れる!どんな事でもやれる自信がある。

結果として自分にもプラスになる事もあるし…
尽くす性格なのだから仕方がない。

ある時私は常連のお客さんに

「NO.2として働くお前は輝いてるなートップの器ではないけど天性の参謀だ!」
と言われた。


何かの本で読んだ記憶があった。

参謀とは…

『何かの計画に加わり、助ける人』
すなわち右腕だ!

私は尊敬するママの商売に加わり参謀として、輝いていこう!そう決めた。
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