【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
第六章 秋宵の懇願
女王、大切なものを失いたり。
その者、女王の宝なり。
女王、涙して願わん。
銀髮の青年、女王の願いを叶えたり。
一に、その者の幸福を。
一に、その者の幸多き来世を。
そのものより生まれし、蒼き玉。
龍神の手により、守護されん。
龍神、幾年に渡り、女王を見守らん。
白黒双龍、舞い踊る。
願わくば、ここ。
二人が御霊、この地に甦らんことを。
【宵始伝―女王の涙―より】