【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
**
部屋から出ると、
「―やぁ、こんにちは。翠蓮」
と、笑いかけてくる人物が。
サラサラの銀色の長髪。
金色の瞳は、柔らかく歪んで。
「伯怜さん?」
翠蓮が名前を呼ぶと、彼はニコッと笑みを深めて。
「久しぶりだね。この間は助かったよ。ありがとう」
苦しげな雰囲気もなく、明るくそう言ってきた。
「良かったです。傷は治りましたか?」
「うん。正直、あの傷には参ったよ。いつもはあんなことにはならないんだけどね」
軽く笑う彼は、翠蓮に手を差し出してくる。
「?」
「翠蓮、僕、君に決めるよ」
「……はい?」
「いや、もう、こうなることは"必然”だったのかもしれないんだけどね」
「??」
言っている意味がわからなくて、彼を見上げた。
彼はおもむろに翠蓮の頭を撫でると、
「いつも、いつも、君は人のために頑張りすぎる」
と、苦しげに言われた。
部屋から出ると、
「―やぁ、こんにちは。翠蓮」
と、笑いかけてくる人物が。
サラサラの銀色の長髪。
金色の瞳は、柔らかく歪んで。
「伯怜さん?」
翠蓮が名前を呼ぶと、彼はニコッと笑みを深めて。
「久しぶりだね。この間は助かったよ。ありがとう」
苦しげな雰囲気もなく、明るくそう言ってきた。
「良かったです。傷は治りましたか?」
「うん。正直、あの傷には参ったよ。いつもはあんなことにはならないんだけどね」
軽く笑う彼は、翠蓮に手を差し出してくる。
「?」
「翠蓮、僕、君に決めるよ」
「……はい?」
「いや、もう、こうなることは"必然”だったのかもしれないんだけどね」
「??」
言っている意味がわからなくて、彼を見上げた。
彼はおもむろに翠蓮の頭を撫でると、
「いつも、いつも、君は人のために頑張りすぎる」
と、苦しげに言われた。