【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―



「―御挨拶が遅れ、申し訳ございません。流雲様」


翠蓮は拝礼した。


兄達もまた、深く拝礼している。


「君が、順翠玉?」


「はい」


「で、後ろのふたりが、李祐鳳と李慧秀かな。二人は兄弟なんだって?いつも、灯蘭が世話になってるね。祐鳳」


「も、勿体ない御言葉です」


柔らかな微笑みは、こちらの毒気を抜く。


祐鳳兄が縮こまっていると、彼の視線は慧秀兄へ。



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