【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「そして、私の仕事は、生きたがっている人を出来る限りの力で救うことです。それが、薬師の仕事です」
翠蓮は深く、頭を下げて。
「貴女方の技芸、いつも楽しみにしてます。命を大切に、これからも頑張って下さい」
そう言うと、彼女たちは
「はい……」
「ありがとう、ございました……」
と、どこか惚けた感じで、返事して。
彼女たちの様子を不思議に思いながらも、翠蓮は教坊を後にした。