【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
*
「翠玉、なんかあった?」
次の患者の元へ向かう道すがら、不思議そうに尋ねてくる鈴華様。
「元気がないって言うか……顔色、悪いよ?」
「え……」
自分の頬に手を当ててみるけど、よく分からない。
確かに、少し眠いけど……。
「昨日の夜、陛下と過ごしたのよね?もしかして、一晩中、なの?」
後宮育ちの彼女は幼いながらに男女のあれそれを理解していて、翠蓮が顔色が悪いことを前向きに考えたらしい。
でも、そんなことはなく。
「いえ。大切な話をしたのは、事実ですけど……」
「けど?」
「ちゃんと休みました、よ……?」
「そんな顔色じゃ、信用出来ないわ。昨夜は夜伽、してないわよね?」
「…………ま、まあ?」
「間があったわよ?」
本当、このおませな姫様にはかなわない。
鋭く突っ込まれて、苦笑い。
「……最後まではしてません。私が、気分が悪いのを理由に、拒否しましたから」
「えっ……」
「それ、大丈夫なの?」
「だから、無理はダメって言ったのに!」
顔色を変えた桂鳳、心配そうな星、怒る鈴華様。
「気分が悪かったの?ねえ、どうなの??」
詰め寄られて、どうすれば……と、後ずさる。
「私が、あんな話をしたから……」
「いや、桂鳳のせいじゃないから!」
桂鳳は桂鳳で、自己嫌悪に陥ってるし……とか、叫んでいると、また、吐き気に。
「翠玉、なんかあった?」
次の患者の元へ向かう道すがら、不思議そうに尋ねてくる鈴華様。
「元気がないって言うか……顔色、悪いよ?」
「え……」
自分の頬に手を当ててみるけど、よく分からない。
確かに、少し眠いけど……。
「昨日の夜、陛下と過ごしたのよね?もしかして、一晩中、なの?」
後宮育ちの彼女は幼いながらに男女のあれそれを理解していて、翠蓮が顔色が悪いことを前向きに考えたらしい。
でも、そんなことはなく。
「いえ。大切な話をしたのは、事実ですけど……」
「けど?」
「ちゃんと休みました、よ……?」
「そんな顔色じゃ、信用出来ないわ。昨夜は夜伽、してないわよね?」
「…………ま、まあ?」
「間があったわよ?」
本当、このおませな姫様にはかなわない。
鋭く突っ込まれて、苦笑い。
「……最後まではしてません。私が、気分が悪いのを理由に、拒否しましたから」
「えっ……」
「それ、大丈夫なの?」
「だから、無理はダメって言ったのに!」
顔色を変えた桂鳳、心配そうな星、怒る鈴華様。
「気分が悪かったの?ねえ、どうなの??」
詰め寄られて、どうすれば……と、後ずさる。
「私が、あんな話をしたから……」
「いや、桂鳳のせいじゃないから!」
桂鳳は桂鳳で、自己嫌悪に陥ってるし……とか、叫んでいると、また、吐き気に。