【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
楽しみだね
冷武三年、二月八日―……
「皇子の誕生に基づき、儀式を執り行う!」
「陛下の御首には、既に龍神からの証が―……」
「皇子の母であられる、李修儀は冷武帝の第一皇子をお産みになられたのだ。格上げなされ―……」
「皇帝陛下万歳!」「李皇后万歳!」
「皇帝陛下皇后陛下、幾久しい御長寿を!」
「黒宵国、万歳!!!」
―国を救ったと謳われる冷武帝の第一皇子、
即ち、皇太子の誕生に国中が揺れる。
皇帝は皇子の誕生を心より喜び、天下に大赦を下し、これを予想をしていた宰相、並びに、大臣は慌てる素振りもなく、祝いの言葉を述べた。
そして、そんな李皇后の皇恩に預かろうとするもの達が進物を献上するために、龍睡宮には連日、長蛇の列。
御祝いの宴は城下にも広がり、国全体が大きな盛り上がりを見せた。
朝廷に大臣が戻ってきたことも、一躍買っており、後に、色々な意味で名を遺す、李皇后の誕生はこうして、国中に皇子の誕生とともに祝われたのだった。