高本さんちのそこそこ男子
「一華ってさ、そんなダメ人間だったっけ」


あのことをずっと考えていたら、いつの間にかお昼休みになっていた。


「だ、ダメ人間って…!ひどいよ綾愛〜」


「高本のこと好きになってからどれだけ年数たってると思ってるの…ほんとにこのままだと誰かに取られるかもね」


「うっ…わ、わかってるって!でも晃陽、今まで誰かを好きになったり、告白されてたりとか聞いたことないし、あともう少しだけ頑張る期間を設けてほしいというか、勇気が出ないというか……」


ぶつぶつ言い訳を並べている私を横目に、綾愛は一緒に購買に行って買ってきた唐揚げ弁当とオムライスを交互に食べている。


くそぅ、綾愛ってば普段から食べる量人より多いのになんでそんなスタイルいいのよ…


「なに??そんなに見てきて。食べたいの??」


「違うよ!というか、綾愛だったら私みたいな状況になったとき、どう行動するの??たまにはアドバイスもほしいな〜、なんて」


「……人を好きになったことないから完全に理想になってしまうし、アドバイスなんて大それたこと言えないわよ」


「そんなこと言わずに!意見がほしいの!お願い!」

わたしが食い下がっていると


「なになに??なんの話〜??」


「!!ち、チョコ!?それに、晃陽まで…!」


話に夢中になってて晃陽たちがすぐそばまで来てたの気づかなかった…
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