高本さんちのそこそこ男子
と、綾愛から鋭い声が飛んできた


「うっ…だ、だって、今更どうやってこの関係を変えるのよぅ…幼馴染歴長すぎて行動に移すの恥ずかしいし…」


「行動に移さなすぎ。そんなんじゃ、いつ誰にとられたって知らないから」


「あ、綾愛〜。見捨てないでよぉ!」


仕方ないじゃん…ずっと一緒が当たり前な環境で育ってきて、良くも悪くもお互いのことをほぼ知り尽くしてて、気づいたら好きになってて…


そんな相手に、どうやってアプローチするのよ!ていうか!あんなハイスペック…とまではいかないけど!普通以上の男子がいたら意識しない方が難しくない!?


…はぁ、まぁ、努力しないと振り向いてもらえないのは、分かってるんだけど、ね…


なんて、心の隅ではいつもこういうことを思っているんだけど、何故か、こういうことを思うたびに、変な安心感があったんだ


まだ大丈夫、とか、そんなこと思ってる余裕なんて、なかったはずなのにー…
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