その悪魔、制御不能につき



ジリジリと追い詰められるような焦燥感と圧迫感に自然と息がしづらくなる。ついでにいつもなら社長に丸投げして我関せずな都築さんが微妙に苛立っていそうなのが恐ろしい。



「今回は流石に悪手でしたねぇ、斉木さんらしくもない…おかげで私にも皺寄せがきそうです。これも鷹斗がぐずぐずしているのが原因なのですよ?」


「わかってる」



わからなくていいです、突っ込みそうになったがここで口を出しそうになったがそれにどんな反応がくるのかも分からなくて怖かったのでなんとか飲み込む。


その間にも都築さんが社長に教えてる(?)ことが恐怖なんだけど。なにそのグレーな恋愛観。都築さん恋愛で毎回そんなことしてたの?というかもしかして社長の毎回の拉致とか都築さんが教えたものじゃないでしょうね。



「さて、では私はこれで。あぁ、鷹斗。貴方自身の休みは一週間ですから間違えないように」


「あぁ」


「会社は私に任せて問題はありませんから、貴方はこの先このようなことがないように斉木さんに体と精神と骨の髄まで知らしめなさい」


「わかった」



こくり、と素直に頷く社長が怖い。わかったじゃないわよ。都築さんの言葉のチョイスが仮にも彼女に向けるものじゃないことに突っ込みなさいよ。



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