その悪魔、制御不能につき
ちょっとだけご機嫌が回復した羽華ちゃんを抱っこした後輩が戻ってくると膝を降りて近づく哉瑪の姿にこれからの教育をどうしよう、と人知れず考える。せめて社会的倫理観は普通に育って欲しい…間違っても社長みたいにはならないでくれ。
まぁ羽華ちゃんがこれからどう成長するかにもよるわよね…なんとなくの想像で言うなら都築さんよりも後輩に似そうな感じがするのよね。希望的観測かもしれないけど。
嬉しそうに哉瑪に手を伸ばしてきゃっきゃっと笑っている羽華ちゃんを見て将来は決まったな、なんて思いそれもいいかもしれない、と思う。
なんだかんだ私は後輩のことが好きだし、その子どもならきっといい子に育つでしょ。都築さんの毒牙は…女の子だから。うん、男親は女の子どもにはそう言うとこ見せないと信じてる。都築さん、社長と違ってそういうところちゃっかりこなしそうだし。
くるかもしれない未来に想いを馳せていると旦那連中が帰ってきたらしい。もう少しゆっくり帰ってきてもいいものを、嫁に執着している夫というものは全員こんな感じなのかしら。いや、こんな性格の男が早々にいるとは思わないが。
あいも変わらずの都築さんと後輩の胸焼けして顔を顰めてしまうようなあまーいやり取りを見届けてまた遊びに来るから、と哉瑪を連れて帰る。哉瑪は少し名残惜しそうだったけど、それよりも社長の無言の訴えが鬱陶しかった。ごめん、哉瑪。また今度連れてくるから。