八周年記念小説
第八話❄️隠していること
楼愛の店から帰って来て
部屋着に着替えて
一息ついたところで
話始めました。

『茉生、実はあなたに
隠していることがあるのです』

私はあのことを話そうと思っています。

いつまでも隠しているのも無理がありますし、
私の口から伝えたいと思ったのです。

『君が僕に隠し事?』

不思議そう聞き返されて頷きました。

『実は大分前から、それこそ、
あなたが記憶喪失になる前から
桝山……先生にセクハラをされているのです……

あなたが記憶喪失だった頃に
浅窪先生に相談に乗ってもらっていました』

思い出すだけで気持ち悪いです。

『ぇ!?

気付いてあげられなくてごめん』

私に触れてよいのは茉生だけです。

『私もずっと言えなかったので
あなたが謝る必要はありません』

ずっと言えなかったのは私が
不甲斐ないせいです。

『授業中は流石に無理だけど
なるべく一緒にいるようにするから』

ギュッと抱き締めらると安心します。

『ありがとうございます』

今日は休日なので二人でのんびりと
過ごすことにしました。

茉生が記憶喪失になってしまった時は
辛く、寂しかったですが思い出していただけて嬉しいです♡*.+゜

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

約束通り、授業以外では
一緒にいてくれるようになり、
時折、浅窪先生も混ざり三人でいることも増えました。

だからでしょうか?

一週間、二週間と過ぎていき
一ヶ月後に桝山のセクハラも
回数が減ってきたように思います。

流石に誰かが一緒の時には無理ですからね。

それでも一人の時を狙って
される時もあるので
全くされなくなったわけではありませんが……
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