あの時からずっと、君は俺の好きな人。
水野くんがそっと私を抱きしめていた。

私は一体温瞬驚いたけれど、彼のはとても心地よくて。私はずっとこのままでいたいとすら、思った。


「パパとママの、こと……。忘れ、ない。いつまでも……一緒に……いる」


心の中で2人は生きている。私が忘れない限り、記憶は消えない。3人で過ごした幸せな日々は、ずっと色褪せない。


「うん……」


水野くんはぎゅっと私を抱きしめた。私は耐えられなくなり、声を上げて泣いた。

しばらくの間、私は水野くんの腕の中で、これでもかと言うくらい、涙を流し続けた。
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