あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「藍! 水野くん! まずいことになった!」


美結が血相を変えて叫びながら走ってきた。

途中で体育教師に「プールサイドは走るな!」と言われて足を止めたが、そのあとも早歩きで私たちの元へとやってきた。


「どうしたの、美結。そんなに慌てて」

「なんかあったん?」


尋ねる私と水野くんに、急いでこっちへやってきた美結は、乱れていた呼吸を整えた後、こう言った。

そして美結は、驚愕の事実を私たちに告げる。


「坂下さんが、捻挫したの。たぶんリレーには出られない」
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