あの時からずっと、君は俺の好きな人。



「これは? 痛い?」

「っ……! 痛い、です」


保健医に足首を押され、苦痛で顔を歪める坂下さん。


「骨は折れてないけれど、結構ひどい捻挫だね」

「そんな……私水泳大会の選手なんです。なんとかなりませんか?」

「テーピングを巻いてもいいけど、怪我してすぐは安静にしないと長引くよ。この足じゃ早くは泳げないだろうし、癖になってずっと痛みが残るかもしれない。悪いことは言わないから、他の人に変わってもらいなさい」

「…………」


保健医の無情な言葉に、坂下さんは俯く。

私とクラス代表の全員は、突然の事態にいてもたってもいられなかったので、保健室に押しかけていた。

保健医に坂下さんの捻挫を処置をしてもらい、保健室から廊下に出る私たち。

坂下さんは歩くのも大変なようで、内藤くんが肩を貸していた。
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