あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「俺も吉崎さんがいいと思うけど、泳ぐのいつぶりなの? 大丈夫?」


水野くんが私の顔をのぞき込みながら言う。


「い、家の近くの海ではたまに泳いでいたから大丈夫!」


6年ぶりだよ、なんて言ったらさすがに他のみんなも反対するんじゃないかと思ったので、私は咄嗟に思いついたことを言う。


「そっか。ーーじゃあよろしくね、吉崎さん」


水野くんが私を見つめてどこか不敵に笑って言う。何故か自信ありげな表情に見えた。私は真剣な面持ちで頷き返す。

すると、私が泳ぐのを辞めてしまった理由も、6年間泳いでいなかったことも、すべてを知っている美結が、にやりと笑った。


「よし! それじゃ、早く着替えよー! 水着なら私の予備あるから貸すよ!」

「ほんと!? 美結ありがとう!」

「今すぐ行って着替えればまだ練習する時間はであるよ! 早く早く!」


そして私は美結の手にひかれ、プールの方へと走った。
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