あの時からずっと、君は俺の好きな人。



露わになる太ももに、容赦なく描き出される体のライン。

よく昔はこんなもんを恥ずかしげもなく着てたなあと、6年ぶりの水着は私にそんな感想を抱かせた。

美結とは身長が同じくらいだったので、幸いなことに貸してもらった水着は問題なく着れた。

ーー胸は美結の方があるし、ウエストもくびれていると思うけど。まことに残念なことだが。

まあ水着は多少のことなら伸縮してくれるからなんとかなった。


「美結、ありがとう。水着貸してくれて」


更衣室の中で着替え終わった私は、傍らに立つ美結にそう言った。

美結は何故か、少し切なそうにーーだがどこか何かを懐かしむような微笑みを浮かべていた。


「ーー藍は覚えてる? 小学生の時、いつも私を助けてくれてたこと」

「え……」


突拍子のない話に思えて、私は戸惑う。しかし美結は構わず続けた。
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