あの時からずっと、君は俺の好きな人。
*
やはり6年ぶりの水泳は、思うようにはいかなかった。
本番前に与えられた練習の時間は少なく、私達は2回だけリレーを通しで泳いだのだが。
「ーーやっぱり坂下さんに比べたら遅いね、私」
坂下さんにタイム測定をお願いしたのだが、彼女が泳いだ時よりもトータルで3秒ほどは遅い。
「え、でもぶっつけ本番でこれだけ泳げればすごくない!?」
「泳ぎ方もすごく綺麗だしね」
「吉崎さん昔スイミングやってた?」
「え……はは」
三上さんと、私の事情を知っている美結以外のみんなは褒めちぎってくれたが、曖昧に笑って私は誤魔化した。
「早くないのは仕方ないよ。ドタ参でこれだけ泳げれば御の字だよ」
「ーーうん」
プールの中で水野くんとそんな会話をする。ほかの選手達はすでにプールから上がって、何やら相談していた。
やはり6年ぶりの水泳は、思うようにはいかなかった。
本番前に与えられた練習の時間は少なく、私達は2回だけリレーを通しで泳いだのだが。
「ーーやっぱり坂下さんに比べたら遅いね、私」
坂下さんにタイム測定をお願いしたのだが、彼女が泳いだ時よりもトータルで3秒ほどは遅い。
「え、でもぶっつけ本番でこれだけ泳げればすごくない!?」
「泳ぎ方もすごく綺麗だしね」
「吉崎さん昔スイミングやってた?」
「え……はは」
三上さんと、私の事情を知っている美結以外のみんなは褒めちぎってくれたが、曖昧に笑って私は誤魔化した。
「早くないのは仕方ないよ。ドタ参でこれだけ泳げれば御の字だよ」
「ーーうん」
プールの中で水野くんとそんな会話をする。ほかの選手達はすでにプールから上がって、何やら相談していた。