あの時からずっと、君は俺の好きな人。

｢な、なっちゃん……？ どうしたの？｣

｢だ、だってええ！ 藍がー！ またこんな風に前向きになってくれたことがっ！ う、嬉しくてー！ うええええーん！｣


号泣するなっちゃんに今まで心配をかけていたことに申し訳なくも思ったが、その泣き方が面白くて、私は引きつった笑みを浮かべる。


｢お、おばさん！ お、落ち着いて！｣

｢美結ちゃああん！ ありがとうー！｣

｢わ、私も気持ちはわかりますけど！ 落ち着いてくださーい！｣

｢うえええん！ 藍ー！｣


なっちゃんの壊れっぷりに旧知の中の美結がみていられなくなったらしく、傍らに行きなだめ出した。

他のみんなはそんななっちゃんに呆気に取られ、ぽかーんとした顔をしている。

すると、隣にいた水野くんが私の方に首を向け、こう言った。


｢おばさんにすごく大事にされてるじゃん、吉崎さん｣


優しく笑って彼は言った。


｢ーーうん｣