あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「…………」

「私の親友だったら、もっと楽しそうに生きているはずなのに。ーー私だってその方が嬉しかったのにって」


そう言った三上さんの横顔は強ばっていた。声は少し震えていた。


「勝手な言い分だよなあって頭ではわかってた。あんな目に遭ったんだから、明るく生きろなんで強要する方がどうかしてる。だけど吉崎さんの顔を見る度に、どうしても親友の死が思い出されて。淡々としてる吉崎さんの代わりに、どうして優しくて明るい私の親友が死んだんたって。ーーだから私は吉崎さんが憎かった」

「そう……だったの」


私はあの事故のたった一人の生き残り。被害者の遺族や関係者は、私に複雑な感情を抱いてもなんら不思議ではないだろう。

ーーなんでうちの家族が死んで、あの子が生きてるんだって。


「ごめんね、今まで。吉崎さんは何も悪くない。本当に、最初に言った通り、私のただの逆恨み」

「ーーうん。言ってくれてありがとう」
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