あの時からずっと、君は俺の好きな人。
確かに自分としても、以前より一日一日が楽しい。「どうせいつか何もかも無くなってしまうかもしれないんだ」と考えることもなくなった。

ーー私、変われたんだって。パパ、ママ。


「まあたぶん水野くんのおかげだよねー」


するといきなり三上さんが茶化すように予想外のことを言ってきたので、私はどぎまぎする。


「え!? なんでそこで水野くんが出てくるの!?」

「はあ? だって好きなんでしょ? 水野くんに恋をして前向きになれたんでしょ」

「なんでそう思うの!?」

「見ればわかるよ」


見ればわかるって……。自分でもそんなつもりはないのに、私は一体彼に対してどのような態度をとっているのだろうか。


「っていうか違うから!」


私は必死になって否定する。自分も認めていないのに、勝手に好きにならされてたまるか。


「え、それなら私水野くん取っちゃうよ」


すると三上さんが急に真顔になって無情なことを言い放つ。
< 156 / 229 >

この作品をシェア

pagetop