あの時からずっと、君は俺の好きな人。
ーー私は水野蒼太が好きだ。子供のようにはしゃぐ彼を見て私は実感した。

しかし、そう思った直後。


「ん……?」


一瞬、ありえない状態が見えた気がして私は目を擦る。

そしてもう一度見返した時には、そのありえない状態は無くなっていた。


「どうしたの?」


三上さんが変な行動を取っていた私に不思議そうに言った。


「ごめん、なんでもない」


私は軽く笑って答えた。

どうやら私は疲れているようだ。6年ぶりに泳いだし、今日は色々なことがあったし。

きっと疲労のせいだろう。そんなことあるわけないのだ。

さっき一瞬、水野くんの身体が、透けて見えたなんて。
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