あの時からずっと、君は俺の好きな人。
2018年7月 あなたがいるから、大丈夫



「やっぱり心斎橋で買い物は譲れないよー!」

「大阪といえば道頓堀じゃない?」

「俺はたこ焼きが食べられればなんでもいい」


みんな思い思いに行きたいところを言うだけなので、なかなかまとまらない。ノートにまとめようとしていた三上さんが深く嘆息をする。


「あんた達、もっと建設的に話し合いしなよ」

「ーーごめーん、舞ちゃん」


たしなめられた美結がバツ悪そうに笑って舌を出す。

1週間後に迫った大阪への修学旅行のために、最近のホームルームや休み時間は、もっぱら自由行動での計画を立てることにあてられていた。

班は男女混合で8人以内という制約内なら自由で、私達は水泳大会の流れから、選手に選ばれたメンバーで班を組んでいた。

大会を通じてみんなとは仲良くなれたので、私はこのメンバーで嬉しかった。ーー水野くんもいるしね。

修学旅行の行先は大阪で、それも新幹線移動だ。

水泳大会の前は行くか行かないか私の中では半々だったが、今では行きたいという想いしかない。
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