あの時からずっと、君は俺の好きな人。
*
慰霊登山の日、目が覚めると、頬が涙で濡れていた。直前まで夢を見ていた気がするけれど、内容は覚えていない。
ーーまたか、と思った。
たまにこういうことがあった。なんとなく、事故に関する夢なんだろうということはわかっていた。
それも、私の記憶が無い事故直後から、病院のベッドで気がつくまでの。
枕元のスマホを見ると、アラームをセットしていた時間のちょうど5分前だった。
私はアラームのセットを解除し、身を起こそうとする。
ーーしかし。
その瞬間、頭がぐらついて目眩がした。そういえば寒気がするし、喉も痛い。
私はスマホをタップして、震える手でなっちゃんに「風邪ひいたかも」とメッセージを送る。
するとドタドタと足音を響かせながら、すぐになっちゃんが体温計を片手に部屋へ入ってきた。
なっちゃんは大層心配そうな様子で私にこう尋ねた。
「風邪!?大丈夫!?」
「うーん……寒気と頭痛がある。気持ち悪くは無いよ」
「とりあえず熱測ろ!」
慰霊登山の日、目が覚めると、頬が涙で濡れていた。直前まで夢を見ていた気がするけれど、内容は覚えていない。
ーーまたか、と思った。
たまにこういうことがあった。なんとなく、事故に関する夢なんだろうということはわかっていた。
それも、私の記憶が無い事故直後から、病院のベッドで気がつくまでの。
枕元のスマホを見ると、アラームをセットしていた時間のちょうど5分前だった。
私はアラームのセットを解除し、身を起こそうとする。
ーーしかし。
その瞬間、頭がぐらついて目眩がした。そういえば寒気がするし、喉も痛い。
私はスマホをタップして、震える手でなっちゃんに「風邪ひいたかも」とメッセージを送る。
するとドタドタと足音を響かせながら、すぐになっちゃんが体温計を片手に部屋へ入ってきた。
なっちゃんは大層心配そうな様子で私にこう尋ねた。
「風邪!?大丈夫!?」
「うーん……寒気と頭痛がある。気持ち悪くは無いよ」
「とりあえず熱測ろ!」