あの時からずっと、君は俺の好きな人。
例の事故以来新幹線にも乗っていないし、大阪にも行っていない。
修学旅行中に、何かの拍子に事故の恐怖に苛まれる可能性だってあるだろう。
しかしそんな可能性に怯えるより、仲のいいメンバーで大阪を回る楽しみの方が、遥かに優っていた。
修学旅行が目前に迫ったそんな日。
前の時間の休み時間になんとか自由時間の予定が決まり、久しぶりののんびりした昼休み。
私はお弁当を食べようと鞄を開けた。ーーしかし。
「あれ……」
「どうしたの、藍?」
机を向かい合わせにして一緒に食べようとしていた美結が、私の様子に首をかしげる。
「お弁当、家に忘れてきちゃった……」
「え、マジ」
「購買でパン買ってこようかな」
「うんうん。あ、急いでいきなよ! 売り切れちゃう!」
「うん」
そして私は早足で購買部へと向かった。
行く道すがら、両手いっぱいのパンを抱えてほくほく顔で教室に戻ろうとする男子達にたくさんすれ違う。
修学旅行中に、何かの拍子に事故の恐怖に苛まれる可能性だってあるだろう。
しかしそんな可能性に怯えるより、仲のいいメンバーで大阪を回る楽しみの方が、遥かに優っていた。
修学旅行が目前に迫ったそんな日。
前の時間の休み時間になんとか自由時間の予定が決まり、久しぶりののんびりした昼休み。
私はお弁当を食べようと鞄を開けた。ーーしかし。
「あれ……」
「どうしたの、藍?」
机を向かい合わせにして一緒に食べようとしていた美結が、私の様子に首をかしげる。
「お弁当、家に忘れてきちゃった……」
「え、マジ」
「購買でパン買ってこようかな」
「うんうん。あ、急いでいきなよ! 売り切れちゃう!」
「うん」
そして私は早足で購買部へと向かった。
行く道すがら、両手いっぱいのパンを抱えてほくほく顔で教室に戻ろうとする男子達にたくさんすれ違う。