あの時からずっと、君は俺の好きな人。
2018年7月 よみがえる恐怖
*
新横浜の駅のホームは、家族連れや出張に向かうビジネスマンらしき人達で混雑していた。
そんな状況にも関わらず、修学旅行で新幹線を利用する私たちが、ホームに溢れんばかりに陣取ってしまい、少し他の人間に申し訳なさを覚える。
ーーほんの少しだけだけどね。
みんなは周りなんかに構ってはいないようだった。
今から始まる高校生活の一大イベントに胸を踊らせているのか、1分に一度くらいは「うるさいよー!」と先生の注意が飛んできている。
「いよいよだねー、私お菓子いっぱい持ってきちゃった! みんなで食べよー」
美結が満面の笑みを浮かべて私の眼前で言う。すると美結の隣に居た三上さんが目ざとく反応する。
「え、なんのお菓子? 見せて見せて」
「いいよー」
「あ、私これ好き! もらってもいい?」
「どうぞどうぞー」
二人がキャッキャする横で、坂下さんがその様子を微笑んで眺めていた。
ーーああ。本当に楽しみだなあ。今日は大阪城周りの観光だっけ。大阪城は初めて行くけど、どんなところなんだろう。
と、私が思っていると。
新横浜の駅のホームは、家族連れや出張に向かうビジネスマンらしき人達で混雑していた。
そんな状況にも関わらず、修学旅行で新幹線を利用する私たちが、ホームに溢れんばかりに陣取ってしまい、少し他の人間に申し訳なさを覚える。
ーーほんの少しだけだけどね。
みんなは周りなんかに構ってはいないようだった。
今から始まる高校生活の一大イベントに胸を踊らせているのか、1分に一度くらいは「うるさいよー!」と先生の注意が飛んできている。
「いよいよだねー、私お菓子いっぱい持ってきちゃった! みんなで食べよー」
美結が満面の笑みを浮かべて私の眼前で言う。すると美結の隣に居た三上さんが目ざとく反応する。
「え、なんのお菓子? 見せて見せて」
「いいよー」
「あ、私これ好き! もらってもいい?」
「どうぞどうぞー」
二人がキャッキャする横で、坂下さんがその様子を微笑んで眺めていた。
ーーああ。本当に楽しみだなあ。今日は大阪城周りの観光だっけ。大阪城は初めて行くけど、どんなところなんだろう。
と、私が思っていると。